「メディアの違いを理解せよ!」と桜野くりむは言った。

この春からアニメ化されるライトノベル迷い猫オーバーラン!」がコミカライズされました。
月刊誌ジャンプSQでの連載。
絵師さんの矢吹先生の作品をよく知らないのですが、原作イラストのぺこ先生のイメージを損なわずに描かれているので、ビジュアルとしては違和感無く読めたかな。
1話は、原作小説1巻の大部分を60ページ強で一気に描かれたため、総集編のような感じで、1巻の内容が気に入っている瑞紀としては、物足りませんでした。
省かれたエピソードの影響か、文乃がらしくない台詞を言ったりして(「このコ本当にここに置いとくつもりですか?」とか)、ちょっと残念に思う部分もありました。
瑞紀的には、3話から4話くらいかけてしっかり描いて欲しかったです。

しかし、原作1巻は3人のメインヒロインの一人、希が拾われてきて家族になるまでの話なので、今後、3人のヒロインを同格でラブコメ展開させるには、1話にて同じスタートラインに経たせる必要があることから、さっくりと進めたのではないかと想像しています。
どこかで、倒置的に回想などの演出にて、省かれたエピソードも描いて欲しいです。
まぁ、原作の松先生も7巻のあとがきにてメディアごとに書き方、展開を大きく変更すると書かれているので、2話以降、どのような展開を見せるかに期待しましょう。

また、最初のうちにある程度は作品の設定を説明しないといけない都合上、説明的な台詞があるのですが、それが結構気になってしまいました。
客観的に見ると巧みに織り込まれているのですけどね。原作ファンの弊害でしょうか。

で、タイトルの桜野くりむの名台詞(アニメ「生徒会の一存」1話冒頭の台詞)についてです。
今回の1話は物足りないという感想を持った瑞紀でしたが、
これは原作小説があって、それとの比較を無意識にして思ってしまったわけで、小説を読まず、初めてこの作品に触れたならば、ハイスピードハイテンションな展開で、十分満足して、爽快な読後感を得られたと思われます。
比較でいえば、小説では数時間かけて読むのを、数十分を読みきるのですから当然といえば当然かな?
文乃のツンデレっぷりも、千世のおこちゃま的な騒がしさも、希のにゃあな感じ(笑)も、明示的に十分魅力的に描かれていていい感じです。
特に冒頭のお色気から巧が蹴り飛ばされるシーンや中盤の文乃と千世の喧嘩のシーンのような動きのあるシーンは、小説の文章から自分でイメージするのとは違い、楽しむことができます。
また、クライマックスの巧が希を「家族」だよと抱きしめて希がそれを受け入れるシーンなどは、自分のペースで読み進めていくことから、自分が満足する間でシーンの時間が進行します。
よって、アニメの受動的な進行では無く、能動的に楽しむことができます。
このあとアニメでは、音楽もついて心理描写や状況描写がされるでしょうから、また違った楽しみ方ができるのでしょう。

原作至上主義ではないのですが、原作の影響が強くて、客観比較できないから、この辺でやめよう(苦笑)。

追記:
アニメ公式サイトのキャストが追加されてましたね。
叶絵役の声優が堀江由衣さんになりましたが、瑞紀の脳内イメージがハルヒ鶴屋さん役の松岡由貴さんでしたので、ちょっと残念でした。